不眠のタイプのひとつで「中途覚醒」というものがあります。せっかく眠ったのに何度も目を覚ましては、そのままなかなか眠れない状態です。
これは中高年の不眠症の中で一番多くみられます。トイレに行きたくなった。夢をみて目が覚めた。痛い、痒い、暑いなどの体の不調、そして精神的なストレス。
このように原因は多くあって、一番の原因は身体的なものです。
喘息、アトピー患者にこの中途覚醒が起こる事が多いようです。例えばアトピーの場合では、寝ている時に痒くて目を覚まし患部を掻き、アトピーの痒みは掻けば掻くほど痒みは強くなります。
そうするうちにますます目が冴えてしまうというケース。喘息では発作で息苦しくなり目が覚めてしまうケース。
こういった、
を自覚していれば改善方法は見えてきますが中には自身の持つ症状に気が付かず痛みや不快感を中途覚醒の原因と知らずに、不眠からくるものだと考えて対処せずに中途覚醒の症状が慢性化してしまう事もあります。
中途覚醒は脳と身体を休ませる睡眠の妨げとなるので、ただ「よく目が覚める」で片付けず、症状がみられれば早めに原因を探る事が大切です。
そしてストレスや食生活、アルコールも中途覚醒の原因になります。ストレスは睡眠の妨げとなるのはもちろん、食生活も睡眠に大きく関わります。
お腹がいっぱいになると眠くなるとは言いますし、誰でもそれは経験した事はあるかと思います。
しかし消化にかかるが活発になり、寝ている最中にも消化活動をしていれば良質な睡眠は摂れず目が覚めやすく、体温も上昇しているのだからまた寝付くのに時間がかかります。
良い睡眠のために、食事は就寝の2~3時間前が望ましいのです。アルコールも少量なら問題はありませんが利尿作用と覚醒作用も含むので、飲んだ日はよく目を覚ますというのであれば摂取量を見直さなくてはなりません。
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中途覚醒は原因不明なのか
中途覚醒というと夜中に起きてしまい、なかなか眠れなくなってしまうという症状や、何回も何回も目が覚めてしまうという症状など、まだまだ寝ているはずの時間に目が覚めてしまうというものです。
その原因というと、ストレスやアルコール、生理、老化、カフェイン、食生活などの問題があると言われています。
もちろんこれら心当りがある場合は、
だと言われています。そしてそれによって確かに改善に向う人もたくさんいます。
しかし花粉症などのアレルギーと似ていて、原因がわかっても1度発症してしまうと、なかなかそのアレルゲンから避ける生活をしても治りにくいものです。
中途覚醒同じように1度発症してしまうと、原因を改善しても完治するまで時間がかかることが多いとも言われています。
例えば切り傷なら刃物で切ってしまったために傷ができ、そこに雑菌が入って炎症を起こしたという、はっきりした理由があります。
しかし中途覚醒の場合、例えばアルコールやストレスも大きな原因となりますが、同じアルコールを飲んでいる人でも、またストレスを同じように抱えている人でも中途覚醒にならない人もいます。
つまり要因はいろいろ分かっているものの、
とも言えるようです。
ただし要因や中途覚醒のメカニズムも解明されているので、治療によって改善することがほとんどです。
とはいっても医師による治療をしても、結果がすっきりしないという人もいます。そんな人は病院を幾つも移ったり、自分なりにいろいろな民間療法や漢方などを試して治している人もいます。
しかし自律神経の安定が無い場合に中途覚醒が起こることがほとんどで、その原因を自分で探してみることも大切ではないでしょうか。
ただし自己判断で市販の睡眠改善薬を飲み続けてしまうと、より改善に時間が掛かってしまうこともあるので、できるだけ市販薬は一時的な応急処置として医師に相談をすることが大切です。
これは中途覚醒だけでなく入眠障害や早朝覚醒などでも同じことが言えます。
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中途覚醒で二度寝ができない
中途覚醒は、なかなか睡眠障害と分からないことがあります。つまり睡眠障害というと、やはり眠れないということがイメージとしてあるため、寝付きに問題のない中途覚醒の場合は、睡眠障害だという自覚がないこともあるようです。
そのため夜中に目が覚めてしまっても、すぐに眠れれば中途睡眠だとは思わないことも多いとのこと。
しかし目が覚めてから二度寝がなかなかできないときにはとても辛くなります。
また何度も目が覚めているうちに体も疲れきり、朝方に目が覚めたときに二度寝をすると、今度は朝起きることができなかったり、起きてからも
二度寝の場合、起きる時間のときが深い眠りのときには、起きるのがとても辛くなります。その点自然に目が覚めるときには、浅い眠りから目覚めていくのでとてもスムーズな目覚めとなるのです。
このように中途覚醒や二度寝ができない、やっと二度寝したらスムーズに起きられないなどの症状がある場合は、自分でそれなりの生活をするようにしましょう。
まず寝る予定時間の3時間前からテレビは見ず、電気の明るさも少しおとして、静かな音楽を聞いたり、読書をするようにしましょう。
またお風呂はぬるめのお湯にゆっくり入ることがおすすめです。そして1日無事過ごせたことを感謝して、ゆったりした気持ちで睡眠に入るようにしましょう。
また寝る前に深い複式呼吸をすることも、質の良い睡眠につながります。
中途覚醒は動悸もするの?
中途覚醒の人の症状の1つに動悸があります。何故、中途覚醒の人は動悸があるのでしょう。これは早朝覚醒の人にも見られますが、その理由は幾つかあるようです。
まず自律神経失調症になると交感神経と副交感神経のバランスが乱れるわけです。イライラしたり疲労感が取れない、よく眠れないなどの症状があります。
しかし自律神経失調症は原因もまだ究明されておらず、はっきりした原因がわかっていません。また症状もそれぞれで型どおりの症状ばかりではないのです。
もともと自律神経失調症というのは病名としては公認されているものではなく、原因不明の不調に付く症状名というものです。
中途覚醒の人で動悸とともに目が覚めるという場合などは、この自律神経失調症の可能性があります。
またこの自律神経失調症と間違えやすい病気に鬱病があります。鬱病でも中途覚醒を起こすことは多く、この場合も動悸が起こります。
そして鬱病も交感神経と副交感神経のバランスの乱れと深いかかわりがあります。つまり中途覚醒は鬱病や自律神経失調症とも深い関係があるのです。
ということになります。
そのため昼間に興奮をし過ぎないこと。カフェインを摂らないこと。そして睡眠に入る前に1時間程度電気の明るさを落し、昼間の興奮を静めていくようにしましょう。
この3つは基本的な睡眠障害の対策です。鬱病、パニック障害、自律神経失調症などによる中途覚醒であれば、医師に相談することもおすすめです。
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ストレスによる中途覚醒とそのストレス
中途覚醒はいろいろな意味で、ストレスから起こることがとても多いと言われています。
そして中途覚醒が続くと、ますますストレスが溜まるという悪循環になってしまうという現実があるので注意しなければなりません。
中途覚醒に急になったという人に聞いてみると、何かの出来事によるストレスがきっかけになっている場合があります。
また精神的なストレスだけでなく、夜中までネットを見てしまったり、仕事で残業が続くなど体のストレスによるきっかけも十分考えられます。
どちらにしてもゆっくりとした日々を送るようにすることで、だいぶ改善されるとのこと。とは言っても、人生の先のことを考えると不安で眠れなくなる人もいます。
将来のことは今すぐどうにかできるという問題ではありません。しかし最近ではそのように考えるのも、実は
によって起こるものだということが解明されています。
自分の考え方を変えることは、なかなか難しいところもあるのではないでしょうか。そこでセロトニンの分泌を良くすることを考えてみることをおすすめします。
セロトニンの分泌を左右しているのは腸内環境であることも近年解明されていますが、意外と腸内環境を整えることは見落とされています。
セロトニンの前駆体となるものの60%~70%が腸内に存在していると言われているのです。つまり便秘などの人は
心身のストレスが中途覚醒を起こし、それがまたストレスになるという悪循環を起こさないためにも、ストレスをためないことを心掛け、セロトニンを増やすことも考えてみましょう。
ストレス解消は好きな事をする時間を増やしたり、アロマブロなどにしてみたり、逆に寝る前に気分転換にウオーキングを兼ねた散歩に行くなどもおすすめです。
また人によってはペットを飼うことでストレスを解消することができたということもあります。このように自分でできるストレス解消を考えてみましょう。
高齢者の中途覚醒の原因は?
とよく言いますが、それはつまり早朝覚醒に近い現象とも言えるため、高齢者には早朝覚醒が多いかと思っている人も多いのではないでしょうか。
しかし現実には早朝覚醒だけでなく中途覚醒の人もとても増えてきていると言われています。その原因こそ加齢そのものなのです。
若い頃であれば爆睡するということがありました。それが30代になると、なんとなく眠りにくいときが出てきます。
そして50代になるとそろそろ加齢による中途覚醒の人が増えてくるわけです。加齢によって深い睡眠がなかなか難しくなると言われています。
また体温が下がり出すと入眠し、体温が上がり出すと朝起きるという自然なリズムがあります。
加齢により体温調整ができなくなったり体温の変化を体が分からなくなるということもあり、それによって体温が上がらないうちに目が覚めてしまうということもあるようです。
また、1日の体温変化が加齢によって前倒しされていきます。つまり若い頃より早く体温が高くなるため、中途覚醒や早朝覚醒が起こることになるのです。
そして実際に睡眠自体も、若い頃に比べて必要なくなるということも言えます。若い頃のように体を動かす量が減ってくると睡眠の必要量も減ってくるのです。
しかし老化による目の疲れなどからから、夜は早く眠くなるという傾向あり、それによって夜中に目が覚めたり、早朝目が覚めてしまうということになるのも当然と言えそうです。
また老化現象として頻尿にもなります。もちろん排尿と中途覚醒は別物ですが、頻尿になると眠りが浅くなり起きてしまう原因にもなります。
その回数が増えると中途覚醒にもつながることは避けられません。
他にも老化によって関節などの痛みが出ることもあります。睡眠していても痛みを感じている体にとっては深い睡眠を痛みが妨げることもあります。
そのため中途覚醒が起こるということも考えられます。老化はこのように体の痛みも起こりやすく、体温調整や体温認知もズレがくるようになります。
このようなことが幾つか重なる場合もあり、どうしても熟睡ということがなかなかできなくなるのです。その上、昼寝などしてしまうと、より中途覚醒は起こりやすくなってしまいます。
中途覚醒とうつ病の関係
中途覚醒や他の睡眠障害は、うつ病との関係はとても深いと考えられています。
うつ病の人と睡眠障害の関係の調査では、うつ病と睡眠障害が同時に出る場合が約30%、うつ病の後に出てくる睡眠障害が約30%、睡眠障害が先に出る場合が約40%ということで、ほとんどのうつ病の人はさまざまな睡眠障害を感じ、その現われ方も様々だということがわかります。
この場合の睡眠症状は中途覚醒だけではなく、早期覚醒や入眠障害などいろいろな睡眠障害があるようです。
うつ病の人の多くはセロトニンが分泌されなかったり、少量の分泌しかないと言われています。
つまり幸せホルモンとも言われているセロトニンは、わたしたち人間が不安や恐怖、悲しみなどを抱えたときに分泌されるもので、それらの感情を緩和してくれる成分です。
わたしたちはこのセロトニンの分泌があるからこそ、不安があっても「なんとかなるさ」や「きっと大丈夫」などと思えるのです。
またセロトニンは加齢でも分泌が減るため、老人のうつ病などの原因にもなります。
セトロトニンは睡眠ホルモンであるメラトニンを作るためにも必須ホルモンです。そのためセロトニン分泌が減少すると睡眠障害が起こるのも当然ということにもなるのです。特に早朝覚醒はうつ病と同時に起こる睡眠障害としても多いと言われています。中途覚醒はうつ病になっている人が後から出てくる睡眠症状に多いとのこと。
そして、うつ病の関係する中途覚醒の人は、覚醒してからなかなか眠りにつくことができず、その間に「自分は駄目な人間だ」、「回りの人に迷惑をかけている」、「みんなから嫌われている」、「自分なんていない方がいいのではないか」など、自分を否定することばかりを考えるようになります。
のはそんなところもあるようです。
それに比べてうつ病に関係のない加齢による睡眠障害の場合は、ほとんどが早朝障害となりますが、くよくよ考えることはなく「早く起きてしまったから散歩でも行ってこよう」とか、「新聞来ているかな」などと考えます。
このように覚醒してなかなか眠れないのは、うつ病でもそうでない人でも辛いものですが、そのときの思考によって、うつ病によるものとの判断がつくのではないでしょうか。
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