不眠症解消には、先ず眠れる身体を作ることが必要です。その中の一つに運動があり、身体に適度な疲れを感じさせる事と運動することで分泌されるセロトニンという物質のバランスをとる事が目的です。
心と体に心地よい疲れをもたらし、自然と眠れる身体を作るのです。
運動というと活動の神経が(交感神経)優位になるので、眠れない症状にとなると少し違うのでは?とも思いますが、複雑な人体と脳内は適度な運動による疲労が無ければ正しい休息は摂れないのです。
運動がもたらす快眠効果の中に血行促進があります。血管の流れは心臓がポンプの役割をしているのですが、他にも筋肉が血液循環の補助をしています。
筋肉は伸び縮みを繰り返す中、血管にも圧迫と弛緩を与えていて、特に心臓よりも下に位置する箇所の血流には重要な力となります。
運動不足で衰退した筋肉は元気に血を運ばなくなり、そこから血中の疲労物質が溜まるだけでなく体温も低くしてしまい、寝付けなくなるのです。
これは、正常であれば寝る前や眠い時、手足の先がポカポカ暖かくなると思いますが、睡眠に入る前に血管が拡張する状態です。筋肉の衰退や運動不足で疲労が足りない体内は
血の巡りが悪いと体調を崩しやすいのは周知の事実でありますが、それは体調不良によって『活動』がしにくくなるだけではなく『休息』もしにくくなるのです。
そして、運動により分泌される物質が睡眠障害の解消へと繋がります。セロトニンとは幸せホルモンとの異名をとるほど人の心に必要な物質です。
恋をするとセロトニンが分泌されてキレイになるというのは聞いた事があるかと思います。
活動の神経にも休息の神経にも効果を発揮し、不安を取り除いて眠気を誘う、はたまた眠くて困る時にセロトニンの分泌によりリフレッシュして眠気が飛ぶなど、
と言いましょうか、心の平穏も体の健康と紙一重ですから不可欠な物質ですね。
このセロトニンは運動で分泌を高める事もできます。運動といっても勝負にこだわる運動は神経を尖らせるので不眠の人には不向きで、リズミカルな運動がお勧めです。
ジョギング、軽いエクササイズ、ウォーキングなどを、できれば太陽の光を浴びて行うと、より一層セロトニン分泌が促されることが解っています。
忙しくてなかなか運動ができないとしても、移動手段を少し徒歩に変更するなど微々たるもので良いのです。
その時、動く筋肉と暖まる身体、それで脳が喜んでいる!そうイメージすると、身体は上手く快眠に向かってくれることでしょう。
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不眠症の改善と運動の関係
不眠症やうつ病の人は運動が必要だということが言われ、最近の精神科などでは軽い運動も治療に取り入れているところもあるとのこと。
まず運動をする目的は身体を疲れさせること、爽快感を得られること、そして自律神経機能の向上、乱れの改善となることが挙げられます。特に
そのため、ある程度長時間の運動が必要になり、最低でも30分から1時間は行いたいものです。運動は眠る3時間前までに終らせることが重要です。
しかしストレッチなどは筋肉を緩ませ、ストレスを解消していくものなので、それこそ眠る直前行うようにするといいでしょう。
不眠症のための運動は疲れ過ぎは逆効果となるので、ほどよい疲労となるものを選びましょう。
有酸素運動の中から選ぶようにしますが、運動が好きでない人やあまりやっていなかった人は続かないことがほとんどです。
そこで運動というイメージではなく、散歩というイメージのウオーキングがおすすめです。慣れてくると無酸素運動でも効果はありますが、慣れるまでは疲労が強すぎるので注意しましょう。
運動は毎日行いたいものですが、それが無理な場合は週に3回でも4回でも効果は得られます。
もちろん理想は毎日なので、わざわざ運動の時間や場所を選ばないものとしてウオーキングが挙げられます。手軽にすぐにでも行える運動です。
ウオーキングは夕食が終ってから行い、交感神経が活発になってしまうので睡眠3時間前までには切り上げるようにしましょう。
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不眠症を改善するストレッチ
昼間の運動と睡眠前のストレッチは、スムーズな睡眠にはとても重要なことです。特に睡眠障害などがある人は布団に入る前にストレッチを行ってみましょう。血行が良くなり、筋肉の緊張がほぐれて
となりスムーズな眠りにつくことができます。
寝る直前に15~30分呼吸に合わせてストレッチを行ってみましょう。あまり難しいことを考えずに、基本は自分が気持ちいいと思うまでゆっくり伸します。
呼吸は伸すときにゆっくり吐くということを忘れないようにして、腰、首、腕、足などをゆっくり伸すようにしていきましょう。
毎日欠かさず行うことでストレッチをしていると、睡眠の切り替えがすぐにできるようになっていきます。
まず肩幅に足を開いて立ち、手を上に伸して手の平を上にして組みましょう。ゆっくり上に伸していきます。このときのポイントは伸していくときにゆっくり息を吐きます。
そして手が天井まで伸びていくというイメージを持って行うと、気持良く伸びます。ただし腰痛がある人は膝を緩めて行うようにしましょう。
あまり体を伸していない人はメキメキという感じがするかも知れません。
次は両手を降ろして力を抜き、体に腕をくっつけておきます。そのまま肩だけを回すようにしましょう。腕はあくまでも脱力状態で肩を回していきます。
前回しと後ろ回しをそれぞれ10回程度行いましょう。次に頭の後で手を組んで、頭を下に押し付けます。それと同時に頭は上にもたげようとします。
首のストレッチが行えます。これらはあぐらをかいて行うと腰の負担もなくおすすめです。
足を広めに開いてそのまま上半身を90度倒していきます。顔は正面を向いたままおこないましょう。
そして腕を後で組み肘を伸し、できるだけ組んだ腕を体から離すように持ち上げます。無理をせず気持ちが良いと感じられるところまで伸していきます。
そしてもう一度息を吸って、ゆっくり吐きながらその状態を5秒ぐらいキープし、それからゆっくり戻していきます。これも5回以上行ってみましょう。
他にもいろいろなストレッチを試し、自分が気持ち良いというものを幾つか行っていくとスムーズな睡眠に効果があります。