前の不眠症の時とは違い少し気が楽と言いますか、彼氏に症状を話したら意外とスッとしたような気がしました。
「眠れない」という響きが、不摂生と同じく自堕落にも似ただらしなさそうな事ではなく、けっこう多くの人が経験する事だと思ったし必ず不摂生が原因だと思われる事もないと。
でも、その考えとは裏腹に睡眠導入剤が怖いとか風邪薬や鎮痛剤とは違った部類の薬が必要だという症状が自分の体に起こっていると思うと、少し傷つきました。
当時は今みたいに心の病気に関しては認識が極端で、映画で見るような、変な病衣を着た狂人が特殊な病棟で喚いたり、一点を見つめてボーッとしているような、そんな感じに思えました。
彼氏は恩着せがましく「薬は飲んでる?」と聞いてくるし。「お前さぁ!くれた物をいちいち自分から話に出すなよな」と凄い勢いでまくし立てて、何だか自分でも不眠の件には触れてほしくないのが分かりました。
まあ、実際その野郎は恩着せがましいみみっちいところがありましたし。
とにかく、そのうちグッスリ眠れるとか、精神的にどこかおかしい??とか、複雑でした。
その野郎が言うには、酒を少し控えてみれば上手く寝れるコツが掴めるとのことでした。実は酒が関係しているのは分かっていたんですが、
今にしてみれば若い時は楽しい事が多いけれど、それは儚いとどこかで分かってて、良い事も悪い事も、起こっている事を自分でも受け止めきれていないのではないかと思うのです。
利口に生きていれば受け止められる範囲内で事を起こすけれど、たいていの人は違う。振り返ると、まさにそんな時期の不眠症でした。この時の症状が精神的に一番辛かったです。
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仕事の厳しさと不眠
この時はエステで働いていたのですが、憧れを持って入ったエステ業界の現実をみた時でした。
現実そのものは「まあ、そうだよな。仕方ない」と納得はできたのですが、いざ分かった上で営業成績を上げよう!と思ってもダメでした。
寝ていないから自分も営業トークに集中できないし、個室にお客様と一対一では睡魔が襲うこともしばしば。
不眠は仕事に支障をきたすのだと痛感しました。売り上げ伸ばしたいと頑張っていて、そうするうちに一旦は症状が治まった事もありました。
ほんの一時ですけど。疲れ過ぎたのか夜遊びに出るのも億劫になり、帰ってご飯を食べてすぐ寝る事も多くなり朝、慌ててお風呂に入って仕事に行くのがほぼ日課のようでした。
職場では同僚と楽しくお昼を食べて、施術の練習をしたりお客様に個室でコースをオススメして…。そんな普通の毎日でした。
この時に、「自分は寝過ごして遅刻なんかしない。朝慌てて風呂に入ったりしても大丈夫なんだ」と実感しました。
エステではよくある事なのですが、カツカツに予約を取るわりに営業トークや契約(当時は売りつける額も大きく、クレジットを組んでもらっていました。
クレジット会社に契約書をFAXしたりサインさせたりと大仕事)で、シワ寄せが下っ端に来るのです。
契約成立の時はともかく、それが失敗に終わった日には険悪化。テメエが入る予定だったお施術を下っ端の私たちが代わりに入ってたのに。
まあ、仕方ないですね。ですが女だけの職場はたちが悪い。けっこうキツい仕事だなと思いました。
そう割り切って働いていたら良くないツボに入ったのか、眠れない日が来ました。この時は毎日寝不足で辛いのもありましたが、仕事がキツいのも大きかったです。
確か、営業も伸びないし疲れたし仕事を辞めたのですが、その前に例の睡眠導入剤を飲みました。よく眠れはしましたが、合わないのか胃が痛くなりました。
悪夢が怖い?それで不眠
それまでは仕事がある時に不眠症になっていたのですが、この時は無職でした。
胃が痛くなるから睡眠導入剤の使用は控えた時で、睡眠導入剤を飲んで眠れるという安心を見つけたのも大きかったのです。
疲れ果てて辞めた仕事に未練でもあったのか少し寂しい時期で、寝ても悪夢ばかりみていました。
自分が取り残されるというような、「嫌な夢みたな」では済まない後味の悪い悪夢でした。
そのうち、悪夢で目が覚めた時にぼんやりと夢と現実の境をみるよりはパッと目を見開いて起きてしまう癖がつきました。
またタイミングの悪い事に酔っ払ったまま寝る事が多く電気もつけっぱなしだったので余計に深く眠れなかったと思います。
この時には
と思います。そして眠くなるから食べる量を減らす前に、食欲そのものが低下していました。やかましい彼氏には症状は話さずにいました。
薬を飲めとか酒を控えろとか言うに決まっていたし、そうなるとケンカになるから面倒でした。もともと鬱陶しいところがある野郎でしたから。
さて置き、きっとその時みていた悪夢は自分を追い詰めていたのでしょう。そして、若いのもあって認めたくないのかバカにされていると思ってしまうのか、それに近い心理でしょうか。
より楽しく過ごそうと毎日毎日飲みに出歩き、寝たのか飲み過ぎてバテているのか分からない日が続きました。
仕事で疲れているわけでもないんだから、不眠のはずがないと。こんな生活をしていて不眠になるなんて、よっぽどどこか悪いのでは?という考えが怖くて、できることといったら楽しく過ごすだけでした。
そんな中、カゼで高熱を出して内科に行くとカゼの症状と一緒に思い切って不眠でどうしたら眠れるか分からなくて少し焦っていると言ってみました。
先生は「カゼと同じで不眠症状だっておかしいものじゃないよ」と、落ち込みや食欲不振はあるか、簡単な質問をしてから精神安定剤を処方してくれました。
落ち込みは無いと言いましたが。一週間分位でしたか、とにかくウトウトする薬でしたがよく眠れました。